PAGE
TOP

トピックス

トピックス

航空局標準マニュアルを使った飛行許可申請の落とし穴

知らず知らずのうちに法令違反なんてことも!?

ドローンの飛行は航空法によって規制されている

近年のドローンは購入後すぐに飛ばせる機体が多くなってきました。
それ故、法律関係の知識を持たずにドローンを飛ばして検挙される事件や墜落事故などが多く発生しています。
特にドローンの飛行は航空法という法律によって飛行できる空域や飛行のルールが厳格に定められています。
現在の航空法で定められている飛行禁止空域は、次の4か所になります。

      

▽▽航空法が定める飛行禁止空域▽▽

(A)空港等周辺
(B)緊急用務空域
(C)高さ150m以上の空域
(D)人口集中地区の上空(私有地上空も含む)

      

では、業務等によって飛行禁止空域でドローンを飛行させなければならない場合には、どうしたらいいのでしょうか?

                          

航空法で規制されているドローンの飛行には事前の許可が必要

そのような場合には国土交通省に事前に申請をして飛行の許可を得ることで、ドローンの飛行が可能になる場合があります。
ただし申請に際しては様々な要件があり、申請すれば必ず許可が下りるというわけではありません。
例えば、機体の操縦者については、原則として「飛行時間10時間以上を有していること」が条件になります。

申請手続き自体はインターネットから出来るのですが、手続き時に

「飛行マニュアル」

という書類を添えて提出しなければなりません。
飛行マニュアルにはドローンを運用する際の体制などを細かく記載しなければならず、「添付した飛行マニュアルの内容通りにドローンを飛ばすので、許可を下さい」というのが申請の主な流れになります。

要注意!!飛行マニュアルの内容は必ず確認しよう!!

ここまでご覧いただいた方は「飛行マニュアルって1からすべて自分で作らなければならないの?」と不安に思ったかと思います。
しかしご安心下さい。飛行マニュアルには、あらかじめ国土交通省の航空局が用意した「航空局標準マニュアル」というものがあり、飛行マニュアルを1から作成しなくても、標準マニュアルを添付すれば申請の手続きができます。
ただし、「航空局標準マニュアル」を使って申請を行った場合には、注意が必要です。
「航空局標準マニュアル」はドローン飛行時の体制が厳密に定められていて、飛行の方法が限定されます。マニュアルに記載されている飛行方法の一例を載せると・・・・・・・

      

◆第三者の往来が多い場所や学校、病院等の不特定多数の人が集まる場所の上空やその付近は飛行させない。
◆高速道路、交通量が多い一般道、鉄道の上空やその付近では飛行させない。
◆人又は物件との距離が30m以上確保できる離発着場所及び周辺の第三者の立ち入りを制限できる範囲で飛行経路を選定する。

      

などの記載がマニュアル内にあります。
よって「航空局標準マニュアル」を使って飛行許可を得ていた場合、上記のように「不特定多数の人が集まる場所の上空」や「高速道路、鉄道の上空」、「人又は物件との距離が30m以上確保できない離発着場所」等の空域でドローンを飛行させた場合、航空法違反として処罰の対象になります。
例え飛行許可を得ていたとしても、国土交通省に提出したマニュアルに沿った運用をしていなければ、無許可でドローンを飛行させているのと同じ状況というわけですね。
特にドローンで住宅街にある住宅の屋根点検などを行う際に、「離発着場所の30mの範囲に人や物件が存在していない」という状況の離発着場所を探して飛行させるというのは、非常に困難です。
仕事で屋根の点検業務を請け負ったけど、知らず知らずのうちに法令に違反していたなんてことも・・・・・。
もちろん、「知らなかった」では済まされず、処罰の対象となる可能性があります。
申請の際には飛行マニュアルの内容を隅から隅まで確認した上で、申請を行いましょう。

法令遵守のためには、独自マニュアルの作成が必須!!

では、ドローンで住宅の屋根点検を行いたいという場合にはどのようにすればよろしいのでしょうか?
答えの1つとして、申請時に「航空局標準マニュアル」を使うのではなく、自分で作成した「独自の飛行マニュアル」を添付して申請するという方法があります。
飛行マニュアルを作成しなければならないので、手間が掛かったり申請後の審査に時間を要してしまうというデメリットがありますが、業務としてドローンを飛行させる以上、法令は遵守しなければいけません。
飛行マニュアルの作成方法がわからないという方は、行政書士さんに作成を依頼すれば、飛行マニュアルの作成と合わせて、申請の代行までおこなってくれる場合があります。
また、マジオドローンスクールでは「オプションA講習(目視外・夜間飛行)」を開催していて、業務でドローンを使うというお客様には、講習の中で独自マニュアル作成に関するアドバイスを行っています。

まとめ

資格を取得して申請をおこない、飛行許可がおりていても実は法令に違反した運用だったなんて事態は避けたいですよね。
ドローンの飛行前には、情報収集を常におこない法令を遵守した運用を心掛けるというのが非常に重要です。
マジオドローンスクールの「オプションA講習(目視外・夜間飛行)」では、業務でドローンの運用を考えている方が安心して飛ばせるように申請手続きのアドバイスを行っています。
運用に不安を感じるようであれば、講習を受講されてみてはいかがでしょうか?

                               

ドローンに関する記事一覧

資格・スクール、法律・規制、仕事、最新ニュース、機体・練習・練習場所ななどについて様々なドローンに関する最新情報はコチラ!

ドローン トピックス 一覧

2021.5.23 Sun